【院長コラム】シミ取りをもっと身近に♪ 最強ピコレーザー『PicoWay(ピコウェイ)』を解説
皆様こんにちは。 肌の青空クリニック中野駅前院院長の山内輝夫です。
本日は前回に引き続き、シミ取り施術で大活躍するデバイスの説明をさせていただきたいと思います。 今回はピコレーザーのPicoWayについてです。
なぜ1万円以下? PicoWay(ピコウェイ)の圧倒的なコストパフォーマンスと性能
他院でピコレーザーのシミ取り放題をお受けいただくと、おおよそ数万~十数万のご予算が必要となる中、当院は1万円を切っております。 あまりいい機械を使用していないのではないか?とお思いになるかもしれませんが、ものすごくちゃんとしたレーザー機器です!むしろピコレーザーの中でも最新かつ唯一無二の性能を有しております。
ピコレーザーの基本:Qスイッチレーザーとの違いと「光音響効果」
まずPicoWayの話をする前に、ピコレーザーについて触れておきます。 Qスイッチレーザーとピコレーザー、同じシミを取るために使用される機器ですが、大きな違いがあります。 その違いがパルス幅です。パルス幅とは、1回の照射でレーザー光が発振されている時間の長さです。1回のパチンというレーザーが当たっている時間はいずれも短く、施術をお受けいただいている方がその違いを感じることはないかもしれませんが、レーザー機種によって大きく異なります。 具体的にはQスイッチレーザーがナノ秒(10億分の1秒)なのに対し、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1)で、1000倍もの差があります。
シミの色素を破壊するためにはある程度熱が加わっている時間が必要ではありますが、長すぎると周囲の組織にも熱が拡散し、炎症後色素沈着(PIH)と言われる炎症によるシミが生じるリスクが高くなってしまいます。 そのために生み出されたのがピコレーザーです。熱だけでなく、熱による急激な膨張によって生じる圧力で衝撃波を発生させてシミの色素を砕くことができます(光音響効果と言います)。
この光音響効果のメリットは炎症後色素沈着のリスクを下げるだけでなく、衝撃波によってシミの色素を細かく砕くことが可能になります。日光黒子(老人性色素斑)のような一般的に表皮内(浅い皮膚)に存在するシミの色素は皮膚の代謝(ターンオーバー)で体外に排出されていくのですが、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)など真皮内(深い皮膚)に存在する色素はそうはいきません。こちらは砕いたシミの色素をマクロファージという免疫の細胞が貪食してくれるのですが、色素の大きさが大きければ貪食できずに残存してしまいます。小さく砕いたものであればパクパクと貪食してくれますので、よりシミの色素を代謝することが可能になります。
PicoWayの特徴①:ピコレーザー史上最も短いパルス幅(250ピコ秒)
前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、PicoWayはパルス幅がピコレーザーの中でも最も短い250ピコ秒での照射が可能です。 短いパルス幅によるメリットはすでにお話させていただきましたが、実はこの短いパルス幅を可能にするために、PicoWayはこれまでのピコレーザーとは全く異なる技術を用いております。
これまでのピコレーザーの技術は、光が「波」の性質を持つことを利用しております。プールでたくさんの人がバラバラに波を起こしている状態を想像してみてください。波は打ち消し合ったり、ぶつかったりして、水面は少しバシャバシャしている程度です。しかし、もし、すべての波が『同じタイミング』で『一点』に重なるように調整したらどうなるでしょうか?その瞬間だけ、巨大な水柱(ピーク)が立ちますよね。
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波のタイミングを合わせる: レーザーの機械の中で、バラバラだった光の波のタイミング(位相)を精密に調整し、ピッタリ合わせます。
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一瞬だけ巨大な波ができる: 波が完全に重なった一瞬だけ、途方もなく短く、強い光のエネルギー(ピコ秒のパルス)が発生します。
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そこだけを切り取る: その一瞬の巨大な波が出たタイミングに合わせて、超高速のシャッターを開け閉めし、一番美味しいところだけを切り取って外に出します。
波が綺麗に重なってできた「一番高くて強いピーク」の瞬間だけを、超高速のシャッターで「パシャッ!」と切り取って外に出す。これが従来のピコレーザーの基本的な仕組み(パルス切り取り方式)です。 しかし、この「切り取り方式」には限界がありました。どんなにシャッターを速く開け閉めしても、波の裾野(前後の余分なエネルギー)まで少し入ってしまったり、毎回完璧に同じ形を切り取るのが難しかったからです。
革新的な「MOPA方式」による高い安定性
そこでPicoWayは、波を「切り取る」のをやめて、機械の中を「2つの部屋」に分けるという全く新しい発想(MOPA方式と言います)を取り入れました。 第1の部屋では、パワーは完全に無視します。「とにかく時間だけが極限まで短く、一切のブレがない美しい波」を作ることだけに全集中します。 ここで作られるのが、ピコ秒の種です。 第1の部屋で作られた種は、そのままではパワーが弱すぎてシミを破壊できません。そこで、この種を第2の部屋(増幅器)に送ります。この第2の部屋には、「形(パルス幅)は一切変えずに、エネルギーの大きさだけを何万倍にも引き上げる」という役割があります。この2つのプロセスを経ることで、驚くほど短く(250ピコ秒)かつ針のように鋭く美しいレーザーを、毎回安定して打ち出すことを可能にしました。 この2つの部屋を1台のコンパクトな医療機器の中に収めるのは、レーザー工学的に非常に困難なことだそうで、開発したシネロン・キャンデラ社 の情熱を感じます。
PicoWayの特徴②:唯一無二の「730nm」の波長
当院では薄いシミというメニューで用いているのが、この730nmの波長です。 730nmは「チタンサファイア(Ti:Sapphire)」という特殊な結晶を用いて生み出されています。 単独の媒質で730nmを発振させるのではなく、他のレーザーにも搭載されているような532nmを「着火剤(励起光)」として利用するリレー方式を採用しています。
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励起: ベースとなる本体から出力された532nmのレーザー光を、730nm専用ハンドピース内に組み込まれたチタンサファイア結晶に強く照射します。
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発振: チタンサファイア結晶は、緑色の光(532nmなど)を吸収すると、赤色から近赤外線(約660nm〜1100nm)という非常に幅広い帯域の光を放つ性質を持っています。
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抽出: その幅広い光の中から、ハンドピース内の波長選択素子(特殊なフィルターや共振器)を使って、シミ治療に最も適した「730nm」の波長だけを厳密に抽出・増幅して出力しています。
なぜ730nmなのか?(効果と安全性の両立)
なぜこのような手間をかけて730nmの波長を作り出したのでしょうか。 532nmは浅いシミによく効く反面、血液(ヘモグロビン)にも吸収されやすいため、照射後に内出血や強い赤みが出やすい弱点がありました。一方、730nmは「メラニン(黒)にはしっかり吸収されるが、血液(赤)にはほとんど吸収されない」という特長を持ちます。これにより、血管への不要なダメージや炎症後色素沈着(PIH)のリスクを抑えながら、安全にシミを粉砕することができるのです。
当院では、頑固でしっかりした色素を除くにはメラニンへの吸収率が高い532nmを採用しておりますが、薄くなったシミを取ろうと無理にパワーをあげると532nmの波長では炎症後色素沈着のリスクが高くなってしまいます。そこで730nmの出番です。 また730nmの波長は532nmの波長よりも深部に到達する特徴がありますので、表面上のしっかりした色素は取れたけれど、少し深いところに色素が残ってしまっている、という方にはぴったりの波長となっております。
おわりに
いかがでしたでしょうか。 今回もマニアックな話で長くなってしまいましたが、少しでもこのPicoWayの素晴らしいスペックが伝わりましたら幸いです。PicoWayのシミ取り施術の詳細はこちらからご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

